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■ 個人的PC10年史 ■

特別寄稿
1994年〜2004年

2004/01/01
o-yam

●前書き

初めてPC(AT互換機)を買ったのがちょうど10年前の1994年の正月。区切りがいいので、この10年を振り返ってみよう。

 

●時代背景

10年前、1994年のパソコン事情はどうであったか。

パソコンと言えば日電の98とその互換機のEPSON。毛色の変わったところでMac。

CPUは486全盛。初期型Peniumが出たばかり。CDは倍速程度、HDDは500MBが10万円。インターネットなどはまだ無く、2400〜9600程度のモデムでパソコン通信。

OSはDOSが幅を利かせていたが、1993年にWindows3.1が出現。S3やCirrusLogicのビデオでやっと1024x768の画面が出せるようになった。

またちょうどこの頃、AT互換機でDOS/Vを使えば漢字ROMが無くても漢字が表示出来るようになっていた。(この為「DOS/Vマシン」と呼ばれていた)

Windows3.1ではさらにAT互換機と98系との境界が無くなり、同じアプリケーションが動く環境が出来た。

同じソフトが動くのであれば、速い、安い、ハードが豊富なAT互換機の方が魅力的である。加えて海外の膨大な数のゲーム、アプリも使用可能。

新しもの好きな人間から徐々にAT互換機へのシフトが始まりつつあった。御多分に漏れず、その手の雑誌を読み漁り、近所の店でIBM、COMPAQを始め、台湾製の怪しいPCを眺めるようになった。

ただし、当時メインで使っていたのはEPSON PC486GRで、色々周辺機器も繋いで、まがりなりにも不満のない環境ではあった。

1994年

年明け早々、近所のパソコン店に展示品処分として激安のPCがあった。ボーナスが残ってたかどうか定かではないが、速攻で購入した記憶がある。

これが記念すべき初のAT互換機
「COMPAQ 3/25zs」である。
筐体は小さめでFDDとHDD。CD-ROMは無い。スペックは

CPU 386SX/25MHz
メモリ 2MB(30Pin 1MSIMM X 2)
HDD 80MHDD(IDE)
ビデオ WD90C30
I/F 2S1P
付属品 106キーボード、マウス、DOS5

と、10年後の今となっては信じられないスペック。
しかし、メモリだけ追加した状態でWindows3.1がかなりの速度で動いた。これには衝撃を受けた。移植物の98用Windowsではこうはいかない。
また、SoundBlusterを付けたところ、これが喋る喋る。これがカルチャーショックと言うものだろう。

一気にAT互換機に傾倒し、春には記念すべき自作1号機を作成。
マザーは Microstar MS4132G、ビデオはVL-BUSのS3 805。

MS4132G

自作1号機

ここからメインマシンはAT互換機になった。

まだパーツ類は秋葉原にしかなかったため、足繁く通い詰め、NICやSCSIなどを買い集める。(よく行った店はロビン電子、A-Master、フリップフラップ、ガラパゴスなど。今でもあるのはDOSVパラダイスか)

ビデオカードは当時最速のカノープス PW928II/VLBを7万円以上の値段で購入。

年末には2枚目のM/B AIR486PIを購入。PCが増殖を始める。

この年の後半からインターネットがぼちぼち流行始め、標準でTCP/IPを実装しているWindowsNT3.5を購入し、インターネットを始める。モデムは海外製の14400。

1995年

Pentiumの形状が替わり、同時に値段も手頃になってきた来たため、Pentium90MHzに乗り換え。

マザーは当時大人気の ASUS P54TP4

この頃からAT互換機も一般的になり、日本メーカーもこぞってPCを販売するようになった。自作友達も増え、増殖、散財の一途をたどる。

この年の秋、ついにWindows95発売。当然0:00に並んで買った。

これにより新しい時代がやってきた。インターネット時代の幕開けと同時に、CONFIG.SYSと格闘する時代は終わりを告げた。

●1996年

Pentium150の時代。

ビデオカードは新製品=描画性能向上の時代であったため、S3やMatroxを買いまくる。

マザーも新しいチップセットが出るたびに購入。

OSはWindowsNT4が発売。入れてはみたが、どうも馴染まなくて結局使わなかった。周辺機器との互換性もイマイチであった。

インターネット上にホームページを開設。また、初のデジカメ(FUJI DS-7)も購入。ISDNの導入。

●1997年
PeniumPro〜Pentium II時代。

CPUが異常に高く、おいそれとは買えない状態。
ビデオもAGPの時代になったが、まだ本格化はしなかった。

転職、引っ越しなどプライベートが忙しかった事もあり、あまり弄っていない。マザーは頻繁に購入、交換していたが。

OSはOEM専用のFAT32対応のWin95OSR2が出現。一般には入手出来ず、入手には困難を極めたようだ。

Linuxも徐々に出てきつつあった。まだ製品的にまともに使えるまでにはいたらなかったが。

9801系は全て処分し、PCに一本化。日電自体もAT互換機を発売し、時代の流れを感じさせた。

●1998年
フォームファクタがATXへ移行。

この10年のうち、最大の盛り上がりを見せる。そう、デシューツコアのCeleronの出現である。

440BXと組み合わせ、5割り増し以上のオーバークロックが可能で、コストパフォーマンスは最高。

その後2次キャッシュ内蔵のCeleron(メンドシノ)がでるや、巷は大騒ぎ。オーバークロックすればハイエンドのPentiumIIに勝るとも劣らぬパフォーマンスを叩きだし、ネット上ではお祭り騒ぎが続いた。

後半はこれまたデシューツコアの低クロックPentiumIIで盛り上がった。アルファの巨大クーラ

ビデオカードもnVIDIA RIVA TNT と3dfx Voodoo2、Bansheeなどホットなバトルが続く。

OSはWin98。待望のバージョンアップ。USB時代到来。

CD-Rも一般的になってきた。

インターネットはフレッツISDNで常時接続の時代が到来。

初の液晶モニタ(13インチ)購入。

●1999年
7月には大魔王が降って来るだの、2000年問題だので、世間は沈みがちだったような。

ビデカードはTNT2対Voodoo3。MGAとS3は鳴りを潜める。

CPUはカッパーマインコアのPentiumIIIが出たが、非常に高くて買えない。パフォーマンス的にはセレロンで充分。

時を同じくしてAMDが独自形状のCPUを投入。殻割りすれば倍率が変えられたり、高クロックのCPUコアが入ってたりでなかなか楽しい。ここから徐々にAMD派になる。

インターネット上に独自ドメインを立ち上げる。

●2000年
Slot1,SlotA,Socket370,SocketA,Socket7など色々なプラットフォームが入り乱れる。

カッパーマインのPIII、セレロンを購入。このセレロン600で初の1GHzを達成。SlotAのAthlonも何個か購入。

後半にはSocketになったAthlon1GHzを購入。GHzが当たり前の時代になった。

ビデオカードはnVIDIA一人勝ちの様相を呈してきた。

インターネットは進歩無し。ブロードバンドがちらほらと世に出てきた。

●2001年
21世紀。

CPUは十分な速度が低価格で買えるようになり、熱が冷め始める。プラットフォームはAMDが中心になる。

ビデオカードも同じような状態になり、GeForce3を最期に、ハイエンド志向は打ち切り。

小型PCやジャンクノート、デジカメに凝る。

この年特筆すべきはブロードバンド元年。途方も無い速度(と当時は思った)を手に入れた。これは大きな大きな進歩だった。

OSはXPが出たが、98系に比べて遅いし使い勝手も悪かったためあまり使わなかった。

●2002年
PCそっちのけでケータイやデジカメに凝る。

CPUは鱈セレや藁セレを買っては見たが面白みにかける。AMD系もイマイチだったが、後半に出たサラブレッドはまずまず。2400+や1700+などを買い込んだ。

マザーもAMD用(FSB333MHz)対応に切り替え。

HDDは120GBを購入。ついに単体で100GBを超えた。

ビデオカードはATIが巻き返してきたが、ビデオチップの消費電力の多さに辟易する。

基礎体力が向上し、WinXPを取り巻く環境も良くなってきたのでXPに乗り換える。

●2003年
静音や低消費電力に凝る。

クロックダウンし電圧を下げ、ファンを遅くしたり撤去したり。ビデオカードもコアクロックを66MHzあたりまで下げる。

VIAのEzraなども買ってみたが、性能とTDPのバランスはカッパーマイン、テュアラティンがベストであると悟る。

年初にRedhat Linuxにて自宅サーバを構築。圧倒的な安定性で、大きなトラブルも無く、ついに1年間電源を切らなかった。XPも安定性は良いが、Linuxには到底敵わない。


後半になると完全に情熱が無くなった。パソコン屋に行っても新たに欲しい物が見あたらない。徐々に足が遠のく。

Athlonも64bitが出たが、パフォーマンスは必要ないので、わざわざ大金をかけて購入する気が起こらない。
そもそも1年前に作ったXP2400+ & nForce-2のシステムでさえ未だに速すぎ。しかもそのマシンは発熱、消費電力、騒音の問題で使っていなかったりする。

また、パソコンが邪魔になってきたのでMicroATX化を推進し、ATXは全て処分した。(リサイクル法も絡んでいる)
使用頻度の低いノートパソコン、周辺機器もあらかた処分。

インターネットは24Mbpsまで向上したが、体感上は大差が無く、期待はずれに近い。

 

●後書き
駆け足で10年を振り返ってみたが、楽しかったのは2000年までだろうか。

今世紀に入ってからは、各パーツのコストパフォーマンスは充分こなれたものになり、面白みが減った。

常用しているCPUが3年前に買ったCeleron850MHzと言う事実が如実に物語っている。ビデオはSiS630内蔵だし。

OS(windows)は時代と共に進化しているが、こちらも頭打ち状態。機能アップもさることながら、バグ潰しも大忙し。しばらく基本的構造が変わる事は無いだろう。Cドライブ(笑)
もうそろそろ若い衆に「何故Cから始まるのですか」と聞かれそうだ(笑)

 

機能的にこの10年で何か変わっただろうか?

パソコンで出来る事は10年前と大差無いような気がする。確かに処理速度のアップにより、動画が楽々と扱えるようになったが、新しく出来るようになったわけではない。

新しいメディアと言えばDVDあたりか。他にも色々出現したが、ほとんどが消えて行った。

CD-Rの出現は画期的だったか。しかし、今となっては容量が小さすぎてバックアップメディアとしては使えない。DVD-Rもしかり。逆に言えば、HDDの容量が大きくなりすぎたか。

デジカメは時代の申し子だったか。これは無くてはならない物になった。ただしこれはPCの周辺機器とは言えない。

となると、ここ10年の大きな出来事はインターネットの出現とブロードバンドの普及に尽きる。これは産業革命に匹敵する。しかしこれもPC自体の話では無い。。。

I/FとしてはUSBの出現が大きいかも知れないが、接続するデバイスはプリンタであったりHDDであったり、大昔と変わっていない。

そう考えると、PCはこの10年で何も変わってない。進化していないと言える。

 

この先、10年後はどうだろうか。生物が翼を持った時のように、大きな進化はあるのだろうか。それともPCは絶滅し、新たな種が生まれるのだろうか。

それを予見出来れば。。。。儲ける事が出来るのだが(笑)