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■ Linux mld 7 ■

超お手軽Linux

2003/9/14
o-yam

●前書き

Microsoft及びWindowsの未来に暗雲が立ちこめている。致命的バグの連発など、サーバはもとよりクライアントでも使いたく無くなってきた。

代替OSは現時点ではLinuxしかない。そろそろ本腰を入れる時が来たようだ。

手始めに、インストールが超楽なMLDを買ってみた。

 

●概要

「MLD 7」は日本製の商用ディストリビューションの一つ。開発はメディアラボ。
Redhat系でrpmが使用可能。

この製品の特徴は
・専用のパーティションが不要。WindowsのDISK上に構築出来る。
・設定類はWindowsを解析して、自動的に引き継ぐ。
・Windows上からインストール出来る。アンインストールも同様。

など。加えて今回のバージョンからDVD-ROM 1枚になった。DVDドライブが無くてもネットワーク越しに認識出来ればOK。

注意点としてWin9X系だとFAT32の制限からシステム込みで2GBまでしか使えない。
2000/XPであれば8GBまで使えて、しかもBOOTメニューで選べるようになるので、こちらがおすすめ。

と、メディアラボが開発している部分が多いので、残念ながらダウンロードは出来ない。欲しい場合は買うしかないのが玉に瑕。2つ前のバージョンでもいいからダウンロード出来ればいいのだが。。。

 

●インストール

まず P4SGX(SiS650)でテスト。HDDは専用の余り物を付けた。



このパターンだと、DVDからブート後shellになり、fdiskで手動でパーティション(ext3など)を作り、インストール用スクリプトを起動。と言う手順になる。

MLDとしてはイレギュラーな手順になるので、インタラクティブにはならない。自分でブートローダーを入れるなど、マニュアルを片手に作業を行う事になり、はっきり言ってかなりメンドウだ。

なんとかインストールが終わり、起動に漕ぎつけたが、Xが動かない。。。マニュアルには「xsetup」とか言うのがあると書いてあるが。。。。無い。。。

仕方がないのでGeForce4MXを付けて起動。これは成功で、1600x1200でも表示が出来た。

画面はGNOMEがデフォルト。GNOMEの最新版は初めてかな??最近はKDEを使ってるディストリビューションが多いので。
KDEは見た目はいいのだが、GNOMEの方が使い勝手が良いので性にあってる。

しかし、今度はNIC(SiS900)が動かない。。。LANが動かないのでは意味がないので、この方式は挫折。


次にWindowsが入っているHDDにインストールしてみる事にした。Windows上からSetup.exeを起動。インストール自体はあっさり終了。

再起動でMLDを選んで起動。Xは動いたが、解像度がXGAより上がらない。。。これはドライバの問題だろう。

今度もNICがダメだったが、起動時に「linux acpi=off」オプションで通信が可能となった。

しかし今度は音が出ない。。。。。もうこのマザーはダメだ。SiS650系を使ったのが敗因かも。


次にソーテックのノート「WL2130C」にてテスト。

こちらもSiSだが、630とかなり古いので問題無く認識。画面を始め、LANも音も正常に動作した。
メルコの無線LANも付けてあったが、こちらもあっさりと認識。なんとかまともに動く所まで漕ぎつけた。

セレロン1.3GHzであるが、レスポンスは上々。全く問題無い。

●検証
使い始めて分かったのだが、これはクライアント用のディストリビューションである。

サーバ系のソフトがほとんどインストールされていない。DVDの中にRPMの状態で入っているので、必要に応じてインストールする必要がある。

コンパイル環境も全く入ってないので手動でインストール。依存関係も自分で解決する必要があるので、一つソフトを動かすだけでも延々と関係するRPMを入れるはめに。。。。

Windowsの空き領域に寄生するため、空間が狭いと言うのもあるが、ちょっと削りすぎではないだろうか。これではLindowsに毛が生えた程度である。Redhatのサブセットとも言える。

 

良い点としては画面周りが綺麗だ。ブラウザ(mozilla)なども美しいフォントで表示される。ここまで綺麗な画面は初めてかな?さすがに高いだけある。

 

●結論

確かにうたい文句通り、インストール自体は超簡単である。これより簡単なディストリビューションは無いだろう。

しかし、環境構築が超メンドウ。最初だけとは言え、気が狂いそうである。「簡単」を売りにするのであれば、環境構築も簡単にして欲しいものである。

ターゲットとしては「Windowsは消したくない。簡単なものでいいからLinuxを使いたい」と言うユーザになるだろうか。HDDの入れ替えが面倒な、ノートパソコン等に適していると思われる。

デスクトップであれば、巨大なHDDを付けて普通のディストリビューションを「全部」でインストールした方がよっぽど楽だ。

また、敷居は相当低いが、価格が高い(サポートは無いに等しいにも関わらず)。
こちらも敷居を低くして欲しいものだ。

と、苦言を呈したが、メディアラボの事務所にはお邪魔した事があるので、社長も開発責任者も存じ上げております。MLDを使っていると、頭に浮かんでくる。。。
一風変わったディストリビュータとして、末永く頑張って欲しいものです。はい。

 

●後書き

どのディストリビューションも一長一短で、なかなか性に合う物が無い。

Kernel2.6が近々出るようなので、また多少賑わうだろう。

Turbo Linuxが息を吹き返した(最後の勝負?)ようなので、デスクトップにはそのうち出るであろうTurbo 9を入れてみよう。

 

それと、ソフトベンダー、ハードベンダーともLinuxに力を入れて欲しいものである。Windowsと心中しても仕方が無かろう。とりあえずケータイ管理ソフトと年賀状作成ソフトが欲しいなぁ。